年1ペースでゲームを作っています。moz(もず)です。
2月14日、ノベルゲーム開発コンテスト「ティラノゲームフェス2019」の結果が発表されました。
結果発表ページはこちら↓
https://novelgame.jp/fes2019/result
私は「かくしてボクら兄妹は」というゲームを出品していたのですが……
見事佳作をいただきました!
やった〜〜〜!ありがとうございます〜〜〜!!(トップ画でもろバレなのは気にしない)
有難いことに、2017年、2018年に続いて3回目の佳作受賞となりました。
佳作常連というのがすごいのかすごくないのかはさておき、一人の参加者として、ティラノゲームフェス2019の感想を書いていきます!
Contents
ティラノゲームフェスとは
ティラノゲームフェスとは、アドベンチャー・ノベルゲームに特化したゲームコンテストです。
ティラノスクリプト(ビルダー)という開発ツールで作られたゲームが対象で、2016年から年に1回のペースで開催されています。
主催者のシケモクMKさん曰く、「世界最大のノベルゲーム開発コンテストなのでは」とのこと。
ティラノゲームフェスって作品数でみると「世界最大のノベルゲーム開発コンテスト」といっていい規模ですよね。
(他にノベルゲーム開発コンテストあるか?という疑義は棚上げとする)— シケモクMK (@shikemokumk) February 13, 2020
世界最大!参加者としてもなにやら誇らしいですねー。
今年は341作品がエントリー
ティラノゲームフェス2019では歴代最多の341作品がエントリーしました。
エントリー数は2016年から毎年右肩上がりに増えていて、昨年はなんと倍増したのですが、今年からエントリー数が一人3作までと制限されたため、伸び率が抑えられた印象です。それにしてもすごい数!
結果発表!グランプリは『初恋は年齢天秤の中で』
ティラノゲームフェス2019のグランプリは、春根利馬(はるねりま)さんの『初恋は年齢天秤の中で』が選ばれました。
おめでとうございます!
準グランプリには14作品、佳作には112作品が選出されました。エントリー数が341作品なので、だいたい3分の1くらいがなんらかの賞を受賞したことになります。
何か賞をいただけるというのは確実にモチベーションアップにつながります。運営さんは本当太っ腹ですね!そしてゲーム制作者の心理をよくわかってらっしゃる!
ティラノゲームフェス2019感想
祝!3年連続受賞
まずは僭越ながら自分ごとから。
冒頭にも書きましたが、今回の「かくしてボクら兄妹は」でティラノゲームフェス3年連続の佳作受賞となりました。
重ね重ね自慢みたいでスミマセン!ありがとうございます!
結果を受けて、正直、ほっとしています。
1作目からクオリティは上がっているハズ(自分比)なので、ここにきて賞をもらえなくなったら凹むなーとは考えていました。
とはいえ、年々エントリー数は増えており、競争も激化しています。今まで作ったものも何が評価されたかわからないし、今年は受賞できるのかな〜どうかな〜という不安は胸の奥底にありました。
賞を取るために作っていないし、
「受賞しない=ダメな作品」ということは決してないし、
でも今までもらえてたものがもらえなくなったら悲しいし、、、
コンテストは難しいですね。
グランプリ作品は初の〇〇〇
今回グランプリを受賞した『初恋は年齢天秤の中で(以下『初恋〜』)』ですが、フェス4回目にして初の、
キャラ作画担当≠作者
の作品でした。
今までの3回のグランプリは、2016年の『どとこい』も2017年の『積層のAestivum』も2018年の『真昼の暗黒』も、恐らく全て作者様がシナリオもキャラ絵も手掛けていました。
ゲームにはシナリオの他に、キャラクターデザイン、背景、音楽、キャラボイス、ゲームシステムなどなど、たくさんの要素で構成されています。その中でも、ノベルゲームという形態で評価の対象になりやすいのは「シナリオ」と「キャラクター」ではないでしょうか?
絵が描ければシナリオにピッタリ合わせたキャラクターができるので(画力にもよりますが)、作品のクオリティが上がりやすい面はありそうです。
ただ、『初恋〜』に関しては、それ以上に総合的にゲームとして優れていたために、今回のグランプリ受賞に至ったのではないかと思います。それは『初恋〜』がスポンサー賞を複数獲得していたことからも明らかです。
いや、すごい作品が出てきたな〜と思いました。新しい時代の幕開けを感じます(大袈裟)。
スポンサー制度は最高
ティラノゲームフェス2019からは「応援スポンサー」が募集され、その特典として「フェス参加作品にスポンサー賞を贈呈する権利」が用意されました。
これ、本当にすばらしいと思います!
フェスの講評でも言われていますが、「ノベルゲームというジャンルは客観的に評価するのが極めて難しいジャンル」です。
確かに作品群を見ていても、「好み」はあれど「良し悪し」はなかなか決めがたい。「カレーと親子丼どっちがおいしい?」って言われても答えられないのと同じです。たぶん。
コンテストである以上優劣をつける必要があるのですが、それもある程度「好み」にならざるを得ません。講評でも「あくまでも審査員の主観に基づいて評価した結果」と言及されています。
それであれば、
「私はこのカレーが超好き!」
「僕はこの親子丼が至高だと思う」
とたくさんの人が決めればいいですよね。それがこの「スポンサー賞」なのでしょう。
実際に、グランプリ・準グランプリ・佳作を逃した作品がスポンサー賞に選出されていて、本当にいい仕組みが生まれたなぁと思いました。
また、フェスの規模が拡大することによって主催者側の負荷は確実に大きくなっているはずです。その負荷をスポンサーという形でサポートできるのは、毎年フェスを楽しみにしているファンにとってはすごく光栄なことです。
それも「スポンサー賞贈呈権」という、フェスの盛り上がりにも一役買うような特典がついているんですから、まさに主催者様・作者・プレイヤーのWIN-WIN-WINの制度!
スポンサー様からは作品選出理由の熱いメッセージをいただけるのも、制作者側としては嬉しいポイントです。
これは是非来年も導入していただきたいですね。私も来年はスポンサーになろうと思います!
賞をもらえる作品とは?
最後に、「賞をもらえる作品とは?」ということについて少しだけ書きます。
私もフェス参戦3回目ですから、「どうやったらもらえるのかな〜」というのは多少考えます。そして、ひとつの答えに辿り着きました。
賞をもらえる作品はズバリ、
主催のシケモクMKさんが「いいね〜」と思うゲーム
です!!!
「そんな答えが聞きたいんじゃねーんだよ!」という叫びが聞こえてきそうですが、続けます。
まず大前提として、ティラノゲームフェスは賞をあげる・もらうためのイベントではありません。たぶん。
賞をもらえると嬉しい。私自身、ゲーム制作のモチベーションの一つになっているのは確かです。
ただ、ティラノゲームフェスは商業色が薄く、どちらかというと「みんなでつくるお祭り」の要素が強いと思っています。だからこそ、コンテストとしては「あくまで好み」と言い切り、評価基準もいい意味でゲンミツじゃないのです。
だって「音楽が素晴らしいからグランプリ」とか言ってしまったら、その後はやたらと音楽が立派なゲームばかりになってしまいそうじゃないですか。少なくとも私は影響される可能性が高いです。
もしくは、シナリオ・キャラ・音楽等と細かく項目に分けて採点し、その順位を付けることも可能だとは思います。ただ、そうすると、大長編でフルボイス、表情差分やスチルが何百枚もあり、音楽もオーケストラが云々……といったモリモリなゲームばかり評価されてしまいそうです。
いずれにしても、そういう評価ポイントに囚われて、作りたいものを作れなくなったり、作るのを諦めてしまったりするのは、主催者の方の本意ではない気がします。
だから、シケモクMKさんが「いいね〜」と思うゲームがグランプリになります。そこに明確な基準はないし、それがフェスとしては一番いいのだという結論に行き当たりました。
もしかしたら、シケモクMKさんのTwitterやブログを分析したら、なんらかの好みがわかってグランプリに多少近づくかもしれません。また、向こうはある意味ノベルゲームのプロですから、今までにない新しいフォーマットのゲームを作れば「おっ」と思ってもらえる可能性もあります。
もう絶対賞を取りたいんだぜって方は、そういうやり方もありかもしれません。でも傾向と対策を分析って、それはもはや仕事では……?
賞もらえなかったら「あんま好きじゃなかったのかなー、ちぇ」でおしまいにする。どこかに絶対「オレは好きだよ!」と言ってくれる人がいます。そういう人にどうしたら作品を届けられるか考えた方が、いくらか生産的ではないでしょうか。
要するに、あんま賞を狙いすぎない方がいいという結論です。それがフェスの方針にも合っている気がします。マジメに賞を狙っている方にはなんの参考にもならなくてスミマセン。
ティラノゲームフェス2020に向けて
まだ開催は発表されていませんが、開催されるなら参加したいですね。
今のところノーアイディアなので、天使待ちです。堕天使でもなんでも降りてきたらTwitterで報告します。
(2020/2/19追記)ティラノゲームフェス2020エンディングを見たところ、どうやら開催する……っぽいです!!ヤッター!!
以上、ティラノゲームフェス2019の感想でした。
運営の方々、作者の方々、プレイヤーの方々、お疲れ様でした。できればまた来年、ティラノゲームフェス2020で再会しましょう!